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- 公認心理師から「認定専門公認心理師」へ ~さらなる飛躍~
2025年05月09日
公認心理師から「認定専門公認心理師」へ ~さらなる飛躍~
2019年2月、「公認心理師」が国家資格として誕生しました。これまで代表的な心理職資格である「臨床心理士」は、医療・福祉・教育・司法・産業など幅広い分野で心理的支援を行い、多職種との協働を通じて社会に貢献してきました。しかし、心理支援の重要性が増す中で、国家資格としての公認心理師が導入され、心理職の専門性がより明確になりました。
公認心理師の業務は、多岐にわたります。
1.心理状態の観察と分析
心理的支援を必要とする人の心理状態を多角的に観察し、心理アセスメントを行います。
2.心理的支援の提供
個別カウンセリングや集団療法などの直接的な支援を実施し、心理的課題の解決を促します。
3.関係者への相談・助言
支援対象者の家族や関係者に対しても助言を行い、より適切な支援環境を整えます。
4.知識の普及と情報提供
心の健康に関する情報発信を行い、社会全体の心理的理解を促進します。
いわゆる発達や知能、認知機能の評価といった心理検査を含む心理アセスメントは①を、個別のカウンセリングやグループ療法といった直接的な援助は②を指します。また、関係者との会議や打ち合わせといった間接的なコンサルテーション援助は③を、一般や他専門講向けの講師業や紙面での情報発信は④を意味し、それぞれの職域で必要とされる援助法を提供することが、精神科病院での公認心理師のミッションといえるでしょう。このように、公認心理師は専門的知識を活かし、多様な心理的ニーズに対応する役割を担っています。
さらに、2024年度には「認定専門公認心理師」資格が導入されました。この資格は、公認心理師としての知識・技能に加え、特定領域における高度な専門性を証明するものです。医療・福祉・教育・産業などの分野でより専門的な心理支援を提供できるようになります。私は2025年度にこの資格を取得しました。資格取得にあたっては、協会指定の研修を受講し、心理アセスメントの精度向上、心理療法の技術強化、多職種連携のスキルを磨いてきました。これにより、実践的な心理支援の質を向上させることができていると他職種より評価されています。
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現在、医療法人陽和会の医療および福祉部門において、安心・安全な心理支援を提供するとともに、より専門的なアプローチを実践しています。「認定専門公認心理師」は沖縄県ではまだ認知度が高くありませんが、その専門性と社会的貢献の意義を広めるため、引き続き研鑽を積みながら精神科病院として心理支援の質を向上させていきたいと考えています。
医療法人陽和会 南山病院
認定専門公認心理師・臨床心理士 名城卓哉