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2025年06月03日

地域に根ざした精神医療の実践

当法人では、精神科医療と福祉サービスを地域に根ざした形で提供することを使命とし、特に糸満市においては地域住民と共に歩む医療を実践しています。私たちの取り組みは、単に病気の治療にとどまらず、地域社会の一員としての暮らしを支える包括的な支援に力を注いでいます。


糸満市は「糸満市第5次障がい者計画」に基づき、地域共生社会の実現に向けた取り組みを進めています。計画では、障がいのある方々が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための支援体制の整備が重点的に掲げられており、当法人もこの計画に深く関わりながら事業を展開しています。


特に、地域自立支援協議会の機能は、行政・医療・福祉・教育・就労など多職種・多機関の連携を促進し、地域で生活する障がい者一人ひとりのニーズにきめ細かく対応するための重要な場となっています。当法人より糸満市障害者施策推進協議会委員や自立支援協議会委員として積極的に参加し、意見交換や事例検討を通して、地域に必要とされる支援のあり方を共に考え、実行に移しています。


また、精神障がいのある方の地域生活を支えるグループホームの運営、就労継続支援B型事業所の運営、訪問看護ステーションの展開、特定相談支援事業や障害者就業・生活支援センターの機能を活用し、糸満市内外から多くの相談に対応しています。これらのサービスは互いに連携しながら、利用者の生活全般を支える包括的なサポート体制を形成しています。
医療面においては、精神科デイケアやナイトケア、重度認知症デイケアなどの通所リハビリテーション機能を提供し、継続的な医療と日常生活支援の融合を図っています。さらに、退院後のフォローアップや地域での再発予防も視野に入れ、患者さんが「地域で暮らし続ける」ことに重点を置いた医療提供を心がけています。


近年では、糸満市共催より、認知症カフェや講演会、研修会などにも積極的に参加し、地域住民への啓発活動や情報発信にも力を入れています。医療や福祉の専門職が地域に出向き、住民との直接的な対話を重ねることで、精神疾患への理解促進や偏見の解消、そして早期相談・早期支援につなげる取り組みも広がりを見せています。


今後の課題としては、障がいのある方を支える担い手不足や、地域包括ケアのさらなる推進、福祉・医療の継ぎ目のない連携体制の構築などが挙げられます。当法人は、糸満市との協働のもと、地域社会の一員として、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めてまいります。



「糸満市と共に歩む」

それは、地域の一人ひとりの声に耳を傾け、ともに考え、ともに支え合うことから始まります。私たちはこれからも、地域に根ざした精神医療の実践を通じて、誰もが自分らしく生きられる社会の実現を目指していきます。

福祉事業部 部長
糸満市障害者施策推進協議員 阿部慎哉

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