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2025年08月30日

治療抵抗性統合失調症への新たな選択肢

~ クロザピン治療病棟 2025年9月より始動 ~

当院では、2025年8月1日よりクロザピン入院登録医療機関として認定され、2025年9月より急性期治療病棟にて、治療抵抗性統合失調症に対する専門的な「クロザピン治療」を開始いたします。

これにより、従来の薬物療法で十分な効果が得られなかった患者さまに対して、クロザピンという新たな選択肢を提供し、より個別性の高い、効果的な治療を行ってまいります。

統合失調症は、長期にわたる治療と支援を必要とする精神疾患であり、日本には約79万人以上の患者さんがいるとされています。そのうち約10〜30%が、従来の薬剤では十分な効果が得られにくい「治療抵抗性統合失調症」であると推測されています。

このような治療抵抗性の患者さんに対して、世界で唯一効果が認められている抗精神病薬が「クロザピン」です。クロザピンは、一般的な抗精神病薬とは異なる作用機序を持ち、幻覚・妄想、易怒性、興奮・攻撃性といった陽性症状だけでなく、意欲低下や感情の平坦化といった陰性症状にも改善効果が報告されています。世界的には1980年代から使用されており、日本では2009年に導入されました。

非常に効果的な薬剤である一方、クロザピンには白血球減少などの重篤な副作用のリスクがあるため、定期的な血液検査による安全管理が不可欠です。そのため、使用には専門的な知識と体制が求められ、一定の基準を満たす医療機関でのみ実施可能となっています。

治療開始にあたっては、問診や各種検査を行い、医師が導入の可否を慎重に判断します。特に治療初期は副作用の発現リスクが高いため、原則として入院治療から開始します。これは、患者さんの安全を最優先に考えた体制です。週1回の血液検査と診察を26週間継続し、その後も状態に応じて定期的なモニタリングを行います。退院後は外来通院による継続治療が可能です。

治療病棟では、クロザピン導入に必要な入院期間を安全に過ごしていただけるよう、医師・看護師・薬剤師・臨床検査技師・精神保健福祉士など、多職種によるチーム医療体制を整えています。また、退院後も外来フォローアップ体制を構築し、治療の継続と安定化を支援します。さらに、家族支援・心理教育・リハビリテーションプログラムも併せて提供し、患者さまが地域社会で安心して生活できるようサポートしてまいります。

当院に通院されていない方でも、クロザピン治療に関するご相談は可能です。「さまざまな薬を試しても症状が改善しない」「副作用がつらくて薬が使えない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度当院へご相談ください。 クロザピンは、統合失調症治療の可能性を広げる重要な選択肢の一つです。当院では、その導入と継続を安全かつ効果的に行うための環境を整備し、患者さまとご家族にとって希望となる治療を提供してまいります。ご相談やお問い合わせは随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください。

南山病院
急性期治療病棟師長 安里 順子

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